女ドルヲタがSixTONESに沼落ちした話
私は女の子のアイドルヲタだった。
ASAYANでモーニング娘。に出会い、『愛の種』の頃からの娘。ヲタ、そしてハロヲタを経て、48グループヲタ、という遍歴である。
可愛い女の子が自分の夢のため、仲間のためにガムシャラに頑張る姿が大好きだ。
心から『この子を応援したい!』と思える推しのために、CDを積むのは当たり前、握手会も絶対、劇場公演も仕事の予定を見ながら月1はマスト、全国ツアーは2会場以上は必ず。
とにかく推しに捧げる人生を送ってきた。
しかし、そんな生活から離れざるを得ない出来事が起きる。
妊娠したのだ。
妊娠がわかってすぐは元気だった。
代々木第一体育館で行われたHKT48のライブにも行っていた。
お腹を撫でながら『胎児でライブデビューかよw』なんてご機嫌なこと言ってた。
しかし、次の週にあったSKE48のライブは悪阻が酷すぎて干した。
干したことが辛すぎて、ゲロゲロ吐きながら泣いた。大好きな宮澤佐江ちゃんの卒業ライブだったのに…
悪阻と体調が落ち着いた頃にNMB48のライブに行った。
やっぱりライブは楽しい!
そう思いながら大きくなったお腹をなでていると、みおりんが気づいてエアなでなでしてくれた。ぐへへ。
そうしているうちに出産、子育て。
気付いたら好きなグループには新しい子たちが入り、好きだった子たちが卒業していた。
好きな子たちのTwitterに細々とイイネを押すだけの日々。
DMMの配信を見ることも出来ず、ライブDVDを見る時間もなく、新曲も分からなくなっていた。
可愛い女の子を見るのは好きだけど、心底応援出来ない。
アイドルヲタクをしていた日々を思い出すことも少なくなっていった。
推しという推しがいなくなりつつあった頃、私はあるドラマにどハマりした。
NHKの朝ドラ『カムカムエブリバディ』だ。
私は元々朝ドラが大好きで、Twitterで朝ドラについて呟いていた。
藤本有紀さんの台本、主演は3人の女優さん、100年の物語…楽しいに決まってる!と思い、放送前から色んな情報を集めていた。
SixTONES?シックストーンズ?ジャニーズの子?ふーん…
最初はそんな感想だった。
しかし、ドラマが始まると『ふーん…』で済まされなかった、というのは、世間の皆さんも同じだと思う。
『初恋』の具現化が画面の中にいた。衝撃だった。
そして、松村北斗くんについて必死に調べた。
山Pに憧れて自分で履歴書を送ったこと。
『バカレア学園』の哲也であること。
バカレアの哲也?!?!?!
そう、私は元々はAKBヲタクである。
ドラマのバカレア学園もリアタイしていたし、映画も見に行った。
『うちの文恵(ぱるる)の心を奪った哲也なの?!?!』と驚きを隠せなかった。
が、もっと驚いたのが、バカレアに出てた6人がSixTONESになったということである。
ドラマがきっかけで結成、ではあるけど、紆余曲折を経てるし、色々苦労してるらしい…
ふーん…おもしれぇやつら…
それから、細々とSixTONESについて調べる日々が続いた。
細々と調べた先にたどり着いたのが『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル(SixTONESANN)』である。
松村さんが土曜スタジオパークに出演した際に
『今日の夜、ラジオの生放送があるんですけど、聞かないでください』
と壮大なネタ振りをしたのもキッカケのひとつ。
稔さんに『土曜日の夜11時30分、radikoつけてみて』と言われた私は、どんなアイドルラジオを聞けるのかとワクワクした。
が、
爽やかイケメンだと思っていた松村さんは、話の長いただのド陰キャだった。
『初恋の具現化』だと思っていた彼は股間を掴まれ、ギャーギャー騒いでいた。
そんなことより、松村さんの隣で松村さんにツッコミ、ネタをフリ、ラジオを回してる彼は誰だ?
これが田中樹さんか!はーん、把握。
ラップしてるイケメン苦労人の声を、この時私は認識した。
それからはANNを聞いてSixTONESの勉強をした。
・ジェシーは陽気なボケマシーン。笑い声はAHAHAHAHAHA。樹さんとの掛け合いジングルが好きすぎる。
・京本さんは綺麗なお顔に反してただの変人。喋りを聞いてると不安になる。この人大丈夫なの…?
・松村さんはド陰キャ。なにをそんなに世間に対して怯えているんだい…?
・高地くんはやっと見つけた常識人!…じゃなかった。この人もなんかおかしいぞ…スクール革命の子なのか!関東に住んでた時見てたよ!
・慎太郎くんは元気!鉄腕DASHも出てるよね!最年少感出てて良いよー!ってか、キミ、バカレアの達也なの?!大きくなったね!
・樹さんは頭がいいのね。話回すの上手いし、メンバーによって立ち位置が代わってる感じ。声がいい。けど、職人さんたちにめちゃくちゃいじられてんな。
メンバーそれぞれの回を聞いた感想がこんな感じだった。
チャンネル権を子どもに握られている私は、通勤中の車内でひたすらANNを聞き続けた。
そんな日々が続いたある日、ジャにのちゃんねるでSixTONESの話題が出た。(#125)
卍『SixTONESはパンツ見せる曲があるんすよ』
ニノさん『エ゛』
私『エ゛』
そのまま私は『SixTONES パンツ』と検索した。
そして、公式チャンネルに上がってるRAM-PAM-PANを見た。
私の知ってるSixTONESはANNでギャーギャー騒ぐ男子だった。
けど、目の前の画面にいるのはイケ散らかしてる6人組。
脳がバグった。
ジェシーはボケマシーンではなく、ギラギラSixTONESのセンターだった。
京本さんは変人ではなく、キラキラした王子様だった。歌うっま!!!!
松村さんはド陰キャではなく、色気を振りまきながら歌い踊る『Theジャニーズ』だった。
高地くんはスクール革命で見せていたキラキラ笑顔ではなく、キリッとしたイケメンだった。
慎太郎くんは農業の似合う元気っ子ではなく、キャラメルボイスで歌い踊るただのイケメンだった。
樹さんは歌声も素敵で、ラジオの笑い声とのギャップがヤバかった。
そのまま『JAPONICA STYLE』を見た。
もうダメだった。
SixTONESに心を撃ち抜かれた。
倒れ込んだ私は、血の付いた指先で『夢恋桜』とダイイングメッセージを書いたと思う。
それからは早かった。
公式YouTubeチャンネルの動画を見漁る。
動くSixTONES、6人でわちゃわちゃするSixTONESが大好きになった。
青ジャージ回は神。
過去のエモい話は当時を知らなくても泣けてくる。
優しい運動会…?この人たちは本当にジャニーズか?
そんな疑問をもつと、オススメ動画でMVがでてくる。
YouTubeってすごい←
歌のレベルが違いすぎる。音楽の幅がすごい。
なにより、歌って踊ってる姿がかっこいい。
そして、自覚した。
私はSixTONESが大好きだ。
けど、好きと言っていいのだろうか。
子育てと仕事に追われる私はライブに行く時間なんてない。
テレビもリアタイ視聴なんて不可能だ。
雑誌を買ったとて、保管しておく場所も無い。本棚は子どもの絵本と仕事の本で圧迫されている。
日々に疲れすぎてとにかく寝ていたい私に、寝る時間を削ってまでヲタ活する余裕は無い。
そんな私がファンを名乗っていいのか?
自問自答する日々が続いた。
でも、本人たちが言ってるじゃないか。
『僕たちに関わる人みんなでSixTONES』だと。
ラジオは欠かさず毎週チェックしている(タイムフリーだけど)
歌番組もチェックしてる(録画もしくは配信だけど)
YouTubeは子どもが起きる前に見よう(30分早起きがんばる…)
雑誌は『コレだ!』と思ったものを時々買うことにしよう(本棚の整理もしなきゃ)
CDは通勤中の車で聴ける
DVDも車で観る
私は私のペースで6人を応援すればいいんだ。
胸を張ってそう思えるようになった2022年初夏、私はファンクラブに入会した。
ジャニーズWebにも入った。
ライブDVD3枚と『CITY』の全形態をポチッた。
『1st』とシングルはレンタルした。
ハマった直後の最大風速は凄い。
そして、私の久しぶりのヲタ活ライフが始まった。
双子の我が子がSixTONES沼に落ちる話と、私がきょもさんに心奪われる話は、
また次のお話で。